こんばんは。
アラサー女です。歯科衛生士をしています。
実は初めての就職は失敗して入って一週間で辞めたことがあります。
今日はそんな私の経験談と、失敗しない就職先の選び方をお話ししたいと思います。
どんな就職先だったのか?
まず、辞めた就職先がどんなところだったのかお話ししたいと思います。
まず、条件が当時としてはかなり良かったと思います。
今の歯科医院では働き方改革が広まり、条件の良い所が増えていますが、私が就職したばかりの頃はそこまで条件の良い歯科医院は家の近所にはありませんでした。
その中で、私が選んだ歯科医院は条件がとても良く、かなり魅力的だったと言えます。
具体的にあげると、
- 週休2.5日₍土曜日が午前中のみ₎
- 社会保険と厚生年金
- 駅から近い
- お給料が比較的良かった
このあたりですね。
特に週休2.5日と社会保険に入れることが魅力的でした。
歯科医院の営業時間は基本的に朝の9時~夜の19時までです。ここで、休憩時間が1.5~2時間入ります。ちなみに19時には閉まるというだけで、患者さんの治療が長引けばその分延長するし、そこから後片付けが始まるので19時ジャストに帰れるというわけではありません。
更に言えば昼休憩の時間を過ぎても患者さんの治療が伸びてしまえばその分昼休憩の時間は短くなるわけです。
恐らくその時間込みの昼休憩の長さなのでしょう。
つまり拘束時間がかなり長いです。
その中で、週休2.5日はかなり魅力的でした。土曜日以外の一日の拘束時間がいくら長かったとしても、土曜日が半日で終わるのであれば、頑張れそうだなと思ったからです。
後は社会保険と厚生年金です。
ほとんどの会社は社会保険の加入が当たり前かと思われがちですが、歯科医院では実は珍しいです。
個人経営がほとんどの歯科医院では社会保険を取り入れている場所はなかなか多くはありません。入っていたとしても歯科医師国保でしょう。普通の国民健康保険よりは支払わなきゃいけない分よりは少ないですが、厚生年金はありません。
厚生年金の保険料は半分が雇用主が支払ってくれるものなので、あるとないとじゃ今後もらえる年金の金額も全然違うといえます。まぁこればかりは、どうなるかわかりませんが。
あとは自分で支払うのはとても面倒なのでお給料から引いておいてもらってた方がとても楽です。
そんな好条件に惹かれ、私はその歯科医院の面接を受けに行ったのです。
面接の際に引っかかったこと
この時さっさと自分に合わないと気付いておけばよかった~!
と後悔した、面接時に気になった点です。
基本、就職のため学生はそこの歯科医院に許可をもらい、まずは見学へ向かいます。
そこの歯科医院さんで見学させてもらい、どういった治療に力を入れ、どんな設備があり、どんなふうにスタッフが患者さんへ接しているか見ます。
私はそこの歯科医院の前に他の所にも見学に行っていましたが、もちろん向こうはそれに了承し、治療の流れなどを見学させてくれます。
しかしそこでは見学はほんの30分ほどしか見せてもらえませんでした。
もちろん、患者さんのプライバシーがあるので場所によって断られる所もあるかとは思いますが(特に自費診療をメインに行っている歯科医院)、基本は見学はさせてもらえるものだと思ってもらっていいでしょう。
そして私は院長室に呼ばれ、面接を行います。

うちで働きたいの?そしたら時間ないしもう面接するよ。

分かりました。よろしくお願いします。
まずはここが大間違いでした。焦りすぎてすぐに面接を行ってしまい、どんな歯科医院なのかもよくわからない状況で、ただ条件が良いという事だけをしっかりと頭の中にいれて行われてしまった面接。
もちろん就職したいという気持ちの状態で面接を受けてしまいますよね。
どうやら、私のことを気に入ってもらえた様子で、合格がいただけました。その際に気になった点です。

普段うちは2回かけて面接を行ってから決めるんだけど、君はもう採用でいいよ。

ありがとうございます。頑張ります!

(沢山の履歴書が入ったファイルを持ってくる)君はこの中から選ばれた人だからね。君が受かったからこの人たちは全員落ちたんだからね。

(こんなの人に見せていいの?というか凄いプレッシャー)はい、頑張ります。
このあたりでちょっと合わないところなのかも……と思い始めてはいました。
他にも、「そもそも助手がいるから衛生士なんていらないんだよね。」みたいなことまで言っていた記憶があります。歯科衛生士の仕事は助手さんが基本しているのでしょう。歯科衛生士しか取れない点数があるから衛生士が必要であるだけで~という事をおっしゃっていました。
アウトかセーフかでいうと、アウトにはなるのですが、私がバイトをしていたところにも優秀な助手さんがいたので、その発言について思うことは特にありませんでした。
入社してから私がおかしいと思ったところ
まずおかしいなと思ったのは朝のミーティング時でした。
色々と業務報告等を終え、院長先生のお話になった時に、私はメモをとりながら自分の知っている知識を思い出して頷いたり相槌を打ったりとしていたのですが、私よりも少し先に入った歯科助手の方に

あんまり私知っていますってアピールしない方が良いよ。じゃぁ答えて?って言われて怒られるから。
と言われてしまいました。
え???怒られるの????なんで???
と思った記憶があります。これは今思い返しても謎です。別に「それってあれですよね!」と院長先生の発言を遮ったりはしていないのですが。
更に気になったのは、
お昼のお弁当出しとおやつの準備とコーヒーの準備があります。
お弁当注文をしている院長先生と勤務医の先生にお弁当とお箸を準備します。
おやつの準備もします。果物がある日は皮をむいたりします。
コーヒーには砂糖と牛乳の割合が決まっています。
今やれと言われたら、どんな好条件をあげられてもお断りさせていただくと思います。
ちなみに、仕事を終えたら私たちは手を洗いますが、手を洗うにも順番があります。
手のひら→手の甲→指の間を順番で!という順番ではありません。手を洗う人間の順番です。先輩から順に洗っていきます。手を洗って人は次の手を手を洗う人の名前を呼んでその人の番が回ってきたことを伝えるのです。私はもちろん新人だから最後です。
新人は雑用を覚えてもらって最後まで仕事をしなさいという理由は分かります。先輩の方がやっている内容が大変なのも、忙しいのもわかります。
しかし、あまりにも効率が悪くないか?というのが私の意見でした。
今私が歯科衛生士で先輩だとして後輩を育てるのであれば、片付けが全部終わってまだ時間があるのならさっさと手を洗わせて棚に置いてある物やキャビネットの中を見てもらって物の場所を覚えてもらう時間にあててもらうと思います。
そこでは先輩と後輩の上下関係はしっかりさせるという病院の方針でした。
辞めようと心に決めた出来事
さて、まだここまではやっていけなくもないなと思っていました。
何しろ初めての就職で真っ白な状態だったので。
しかし、辞めようと決意したある事件が起きました。
ある日の仕事の終わりに、電車が遅延したという事でお食事に連れて行っていただきました。
先輩から教えてもらった通り、下座に座り、食器などを集めたり飲み物を渡したりと、目上の人を敬うための立ち回りをしたと思っていたのですが、帰りの際、院長先生の機嫌が急降下してしまい、冷たい態度をとられるようになってしまいました。
何かまずいことを言ってしまったのか、調子に乗って失礼なことをしてしまったのか恐ろしくなり、先輩に話を聞いたところ、どうやら私が一番新参者のくせにでしゃばってあれこれスタッフと話をしていたのがまずかったようです。
院長先生が求めていたのは院長先生のお話ににこやかに相槌をうち、許された間で発言をすることだったようです。
基本沈黙が嫌いな私は、いろんな人に話題を振ってはお話をしていたと思います。雰囲気を悪くした覚えはなかったと思ったのですが、院長先生からは身の程を弁えない学生気分のガキが自分の大切なスタッフと馴れ馴れしく話していると思われたのでしょう。
近いことも言われました。
それを聞いたときに
あ、無理だな
と思いました。
このままでは心が死んでしまうと思った私は辞めようと決意したのですが、向こうの気分を害した状態で逃げるように辞めたくないなとは思ったので、次の日全力で謝りました。頭を下げ、態度に出し、声を出しました。
歯科助手の先輩から「体育会系だった?根性あるね。」と言ってもらえたのを覚えています。
あとは、助手の先輩が院長先生へお弁当を作ってきたらしく、それを見た先輩衛生士さんに「あなたもああやって院長先生と信頼関係を深めていってね。」と言われた時とっとと辞めなきゃと思いました。
こうして私は1週間で仕事を辞めました。
辞めた後の話
就職してから1週間たった月曜日の朝、私は院長先生に辞めるとお話し、お許しをもらえました。
それから海の公園へ行き、ぼうっと海を眺めていたのを覚えています。
それから私がしたことは、学生時代に勤めていた歯科医院へ連絡して、パートでもいいから働かせてもらえないかというお電話をしました。
こうして電話して拾ってもらえた職場が今の職場です。
そこに無事就職した私は今歯科衛生士として正社員で働いています。国民健康保険だったのですが、つい最近社会保険の加入をしてもらえました。
何年か越しにはなってしまったのですが、求めていた条件をそこで手に入れることが出来たのです。
思うことは、あの時1週間で辞めて良かったなと今心から思っています。
働いたならとりあえず3年は働けと言いますが、3年間の内に心が死んでしまってからではもう遅すぎます。
自分の価値は自分で引き上げていくものですが、他人から「お前の価値は他に比べて1しか無いから。」と言われて良いものとは思いません。
もし、これを読んだこれから就職する歯科衛生士さんや新社会人さん達がいるのなら大きな声で言いたい。
あなた達には価値がある!!
時間をかけて仕事を教える価値がある。
あなた達の失敗をフォローする価値がある。
お金をかけて学ばせる価値がある。
あなたは雑用するためだけの存在じゃない!
どうかこれだけは覚えていてほしと思います。
私は後輩に雑用を押し付けません。出来る時間がある人間が無理のない程度でやったらいいと思っています。私が出来ないフォローは後輩や他の方に任せ、後輩が出来ないフォローには私や他が回るようにしています。
スタッフ全員で足並み揃えて患者さんと向き合えていると思っています。
私にとって今の職場は良い職場です。
まぁ、あの初めの一週間があったからこそ、ちょっと職場で嫌なことがあっても、あの頃を思い返してこんなの全然大したことないなと笑うことができるのも事実なのですが。笑
職場選びにどこを見た方が良いか
では、ここからはこれらの経験を踏まえて、見学に行く際どんな所を見ていった方が良いのかお話ししたいと思います。
- 見学をさせてくれる所か(半日見せてもらえるのが好ましい)
- どういった治療を行うのか
- 残業はあるのか
- 院長先生のスタッフへの話し方(威圧的ではないか?態度の違いはないか?)
- 患者さんへの対応
- 院内は清潔か
- スタッフ間の仲は良さそうか
- 金銭面や休みの話をぼかさずきちんと説明してもらえるか(有給の取りやすさなど)
このあたりでしょうか。
ほとんど必要最低限ではあるかと思いますが、参考になれば幸いです。
ただ、どんなに事前準備をしていても入ってから分かることもありますよね。耐えられないと思ったら躊躇なく辞めて良いと思います。特に、ただの注意などではなく、自分を軽んじられる発言などがあった場合は可及的速やかに辞めることをおすすめします。
辞めても就職先はあります。
事情を話せば恐らく理解してもらえることでしょう。また、学生時代にアルバイトで歯科助手をやっておくのも良いと思います。私のようにいざとなったら転がり込むことだってできるかもしれません。
いくら条件が良くても、自分の心が死んでしまうような就職先はおすすめすることが出来ません。
時間は有限です。あなたのなりたい自分になれる就職先を見つけることが一番大事です。たった1週間で仕事を辞めても、今働けている私のような例もあります。
自分にはここしか無いんだと泣きながら仕事を覚えるよりも、ここで働いてこんな自分になりたいから仕事を覚えるんだという気持ちの方が大事です。
どうか諦めずになりたい自分を探して頑張ってください。
いいかがでしたでしょうか?
今後新しい場所で働く人や、新社会人さんへ何か少しでも心に残るものがあれば嬉しく思います。
コメント